洪水物語⑧ 約束を果たす神

はじめに

箱舟から出たノアたち。最初にしたことは神に自分たちの命を贖って下さったことに対する献身を表す礼拝でした。神が予めノアに用意させた清い動物たちの中からか彼らは最上の物を選んで神に捧げました。命の「尊厳(そんげん)=尊さと厳しさ」を知った者でなければ命を大切にすることはできず、自分も他人も許すことはできないのです。それを徹底的に思い知らされたノアたち。
すべての命を神は人間に託されるが、その責任は重大。人間は自らの命を神にあがなわれていること、言い換えると神の側の絶大な犠牲の上に命を生きながらえさせていただいていることに責任を負っている。命がけで神の意志と創造目的に生きることを通して。それが礼拝の精神、礼拝の中心にある信仰なのです。これをわきまえない時、人間はいとも簡単に自分や他の人に対して不寛容となり、不満、非難中傷、欠点を指摘する行為に陥ってしまいます。
礼拝に出席する者は自分自身の罪が辛うじて神の御前に赦されていることを自覚して参加することが求められています。それ以外に心に平安を保って礼拝できないようになっているのです。礼拝は罪を自覚し、赦しを乞う者には救いの場ですが、自分の真の問題を直視せず、自分や他人を裁く者にとってはいたたまれない場になります。このような現実も神の訓練の方法なのです。すべてのクリスチャンはこれを実体験で学んでいくことになります。これらは無くさなければならない罪なのではなく、霊的に成長していくための大切なステップです。大事なのは今、悔い改めて神に正しく向き合うこと。そして正しく自分と隣人に向き合うこと。その時、本日の神の祝福の言葉が今週の歩みを祝福することになります。

神の再創造の不変の言(ことば)

創世記9章1-17節(9p)

1節 神はノアとその子らとを祝福して彼らに言われた、「生めよ、ふえよ、地に満ちよ

神が生き物たちや最初の人類を創造された時も(1章22,28節参照)、その第一声はこの祝福の言葉から始まった。我々の命の原点、礼拝の原点、生きる目的の原点、すべてはここに戻ってくる。神が創造されたすべての命を祝福するために我々は存在する。神の祝福が失われたところには祝福を再創造するように求められている。神の祝福そのものを生み出し、増やし、全世界に満たしていくために我々は存在するのである。

2節 地のすべての獣、空のすべての鳥、地に這うすべてのもの、海のすべての魚は恐れおののいて、あなたがたの支配に服し、3節 すべて生きて動くものはあなたがたの食物となるであろう。さきに青草をあなたがたに与えたように、わたしはこれらのものを皆あなたがたに与える

大洪水後の一大変化があるとすれば、これであろう。動物も食料にすることが認められたこと。

4節 しかし肉を、その命である血のままで、食べてはならない

血こそ、神の霊また魂と非常に深い関係があるものとして聖書は表現する。聖書の一大原則。

5節 あなたがたの命の血を流すものには、わたしは必ず報復するであろう。いかなる獣にも報復する。兄弟である人にも、わたしは人の命のために、報復するであろう。6節 人の血を流すものは、人に血を流される、/神が自分のかたちに人を造られたゆえに。7節 あなたがたは、生めよ、ふえよ、/地に群がり、地の上にふえよ」

命の血を流すこと、すなわち殺人を徹底して排除し、神の祝福で地を満たせとの神の黄金の律法。

神が主導した人類最初の契約

8節 神はノアおよび共にいる子らに言われた、9節 「わたしはあなたがた及びあなたがたの後の子孫と契約を立てる。10節 またあなたがたと共にいるすべての生き物、あなたがたと共にいる鳥、家畜、地のすべての獣、すなわち、すべて箱舟から出たものは、地のすべての獣にいたるまで、わたしはそれと契約を立てよう

これには人間だけでなく、すべての生き物が含まれていた。すべての命を尊ばれる神がここに。

11節 わたしがあなたがたと立てるこの契約により、すべて肉なる者は、もはや洪水によって滅ぼされることはなく、また地を滅ぼす洪水は、再び起らないであろう」。12節 さらに神は言われた、「これはわたしと、あなたがた及びあなたがたと共にいるすべての生き物との間に代々かぎりなく、わたしが立てる契約のしるしである

再び全世界を滅ぼす規模の洪水は起きないと誓われる神。すべてはさらなる祝福のため。

13節 すなわち、わたしは雲の中に、にじを置く。これがわたしと地との間の契約のしるしとなる

14節 わたしが雲を地の上に起すとき、にじは雲の中に現れる。15節 こうして、わたしは、わたしとあなたがた、及びすべて肉なるあらゆる生き物との間に立てた契約を思いおこすゆえ、水はふたたび、すべて肉なる者を滅ぼす洪水とはならない。16節 にじが雲の中に現れるとき、わたしはこれを見て、神が地上にあるすべて肉なるあらゆる生き物との間に立てた永遠の契約を思いおこすであろう」。17節 そして神はノアに言われた、「これがわたしと地にあるすべて肉なるものとの間に、わたしが立てた契約のしるしである」

聖書に登場する契約には常に命の代価、犠牲の捧げものが不可欠である。神がノアに用意させた犠牲の捧げもののための7種類の獣と7種類の鳥。その中からノアが選んだのは羊だったのではないか。ノアはアベルが捧げた犠牲の羊の信仰を継承していたからである。この時は捧げずに残された生き物たちは、ノアたちが空に虹を見た時などに捧げて行ったのかもしれない。虹も7色ある存在として認識されている。ノアの信仰のこもった犠牲の捧げものへの神ならではの応答なのである。煙として立ち上ったノアが捧げた犠牲の命。神はそれを余すところなく完全に受け入れて下さったことの印として虹の形で天に輝かせて下さったのである。

神の契約を継承する者として

虹、それは二度と地を呪わせないという神の決意。我々もその決意を受け継ぐものでありたい。 神が予めノアのために用意し、ノアがそれを理解して心を込めて神に捧げた犠牲(の羊)。それは十字架を背負う決意と信仰を象徴している。

イエス・キリストのはかりしれない愛と忍耐、赦しと犠牲の大きさを自覚する時、自分の十字架をどう担うかを考え、行動する者へと変えられていく。すべての人と生き物に神の祝福を分かち合う使命を胸に、ここから遣わされて行こう。

それからイエスは弟子たちに言われた、「だれでもわたしについてきたいと思うなら、自分を捨て、自分の十字架を負うて、わたしに従ってきなさい。」マタイ福音書16章24節

また自分の十字架をとってわたしに従ってこない者はわたしにふさわしくない。」同10章38節

2025年3月9日(日) 北九州キリスト教会宣教題
「洪水物語⑧約束を果たす神」

礼拝動画はこちらからご覧ください。
(前半は音声が切れていますことをご了承ください。22分33秒からは音声が入っています。)