目からウロコの創世記シリーズ② 生命誕生以前
創世記1章2節(1p)
「地は形なく、むなしく、やみが淵のおもてにあり、神の霊が水のおもてをおおっていた。」
はじめに
聖書は、神の存在と、神が計画された人生の目的を忘れてしまった人類へのラブレターです。このことを大胆に語り、証明するために、創世記の最初の6頁が存在します。前回、第1節ならびに第1章全体の中心テーマは、この世界を創造された「神」であることを強調しました。神は人間が肉眼で見ることはできない存在です。では、どのようにして創造主なる神を認知できるのか。第2節以降で、神はその方法についても明らかにされています。
今回取り上げる第2節では、父・子・聖霊なる三位一体の神のうち、「聖霊」が大切な役割を果たしていることに着目します。地球に本格的な生命が宿るために、聖霊はどのように関わっておられるのでしょうか。聖霊は人格を有する存在ですので、「それ」などの「物」扱いではなく、意志を持った、人間と会話が可能なお方として聖書は描いています。
創世記第1章には様々な解釈が存在しますが、今回のシリーズでは、これまでにあまり語られてこなかった聖書解釈を採用しています。この機会に「目からウロコの創世記体験」を共にしていきましょう。
第2節が明らかにする神の立ち位置とその姿
今回のシリーズの特徴は、第1節で神が天と地の基本的な創造を終えられたという前提で始まります。そのため第2節以降の内容はすでに存在している太陽系の第三惑星地球が地球史上、特別な変貌を遂げた6つの大転換期に焦点があてられます。
これを踏まえた上で、第2節は、本格的に生命が存在しなかった時点から神がどのように地球に関わっておられたのかを語ります。神は宇宙の遥か彼方から眺めながら、地球にどのように生命が宿るようになったのかを説明することもできたでしょう。しかし、「神の霊」という言葉で示されているのは、これとは真逆の姿でした。第2節は「神の霊が水のおもてをおおっていた」と表現しています。神が地上世界について語り始める際に選ばれた視点とは、海抜ゼロメートル、つまり「人間と同じ目線」だったのです。
また、この「おおっていた(覆っていた)」という表現に着目すると、聖書は初めから地球が丸い惑星であり、当初は陸地のない「水の惑星」であったことを周知の事実としていたことが読み取れます。世界最古の聖書文献の存在は紀元前3世紀頃まで遡ることができますが、地球が丸いことや、かつて水の惑星であったという理解が一般に認知され出したのはわずか数世紀前のことです。それより遥か以前に書かれた聖書に、現代科学でようやく解明された地球の成り立ちが記されているのは、聖書の著者が天地創造の神だからだと言えるのではないでしょうか。
さらにこの表現は、親鳥が翼を広げて卵を大事に覆い、温める姿を連想させます。地上に命が芽生えるために、神が愛情を込めて地球に接している姿までもが浮かび上がる第2節の表現に、私は感動すら覚えます。
太古の地球には太陽光は届いていなかった
第2節の前半部分からも、重要な事実が浮かび上がります。太古の地球の大気は、太陽光が地上に到達できないほど濃いガスに覆われていたということです。現在の木星などの惑星をイメージすると分かりやすいでしょう。
「地は形なく、むなしく、やみが淵のおもてにあり……」とは、まさにこの状態を表現していると考えられます。「淵」という言葉は深い海溝を指す際に用いられます。海面まで光が到達しないのですから、海上、海面、海中ともに闇に包まれていて当然です。そのため聖書は、太古の地球環境は「形と言えるようなものはなく、また見えず、空しい状態だった」と説明するのです。
徐々に見えて来る神の人格
コリント人への手紙(一)14章33節に、「神は無秩序の神ではなく、平和の神である」という言葉があります。聖書が表現する太古の地球のように、一見すると無秩序で混沌としているように見える世界。しかし、そこにも創造主なる神は、温かい手と眼差しを初めから向けてくださっていました。そして神が、この世界をさらに秩序ある平和で生命あふれる世界にするため、自ら本格的に関わっていかれる様子がこの後に続くのです。
想像してみてください。妊婦のいたわりと愛情に包まれた胎児が感じるであろう、安心と平和の感覚。太古の地球も、それに似た感覚に包まれていたことでしょう。このように聖書の天地創造物語からは、神がいかに愛情を込めてこの世界を創造されたのかを垣間見ることができるのです。
「わたしたちは、神がわたしたちに対して持っておられる愛を知り、かつ信じている。神は愛である。愛のうちにいる者は、神におり、神も彼にいます。(ヨハネの第一の手紙4:16)」
創世記第1章は、このことを裏付ける内容に満ちています。同時に、この世界は確かに聖書の神が、明確な意図と愛情を込めて創造された世界であると人類に語りかけているのです。
2026年1月11日(日) 北九州キリスト教会宣教題
「生命誕生以前」
参考)AIのGeminiから得た情報…
「太古の地球が水の惑星だったと論じる学者」で検索
*ベンジャミン・ジョンソン(Benjamin Johnson)博士 (アイオワ州立大学)
2020年に『Nature Geoscience』で発表された研究。
*ニコラス・フラメント(Nicolas Flament)教授 (ウロンゴン大学)
*ジュン・コレナガ(長谷 淳)教授 (イェール大学)
*阿部 豊(あべ ゆたか)博士 (元 東京大学准教授)
「マグマオーシャン」研究の第一人者です。地球が誕生した直後、ドロドロに溶けたマグマの層が冷える過程で、大気中の水蒸気が一気に雨となって降り注ぎ、**「全球を覆う海(全海洋)」**が誕生したプロセスを理論的に解明しました。
*井田 茂(いだ しげる)教授 (東京工業大学 ELSI)
惑星形成論の権威です。地球のような岩石惑星がどのように水を得るのかを理論的に研究しており、初期の地球が現在よりもはるかに多くの水を保持した「オーシャン・プラネット」であった可能性について言及しています。
*玄田 英典(げんだ ひでのり)教授 (東京工業大学 ELSI)
巨大衝突(ジャイアント・インパクト)後の地球の大気や水の進化をシミュレーションしており、地球がいかにして現在の水の量を保持するに至ったか、その初期状態としての水の惑星像を研究しています。
-
前の記事
目からウロコの創世記シリーズ① 天地を創造した神 2026.01.10
-
次の記事
記事がありません