岐路に立つバプ連と希望②
はじめに
第4主日は、当教会が所属する日本バプテスト連盟(以下バプ連)特有の特徴を取り上げます。単なる教派の特徴ではなく、教派特有の特徴に焦点を合わせています。これこそ、現代の二極化していく世界の中で意義があると考えるからです。
本日は日本バプテスト連盟の親団体が直面した大問題を通して、それがその後の南部バプテスト連盟と日本の連盟内の教会に与えた影響について考察しながら、どう時代の変化に対処していくことを聖書は導いているのか、ご一緒に理解を深めていきましょう。
万国民への恒久の神の掟
レビ記18章1-3、24-25節(旧約161p)
18:1 主はまたモーセに言われた、
18:2 「イスラエルの人々に言いなさい、『わたしはあなたがたの神、主である。
18:3 あなたがたの住んでいたエジプトの国の習慣を見習ってはならない。またわたしがあなたがたを導き入れるカナンの国の習慣を見習ってはならない。また彼らの定めに歩んではならない。
モーセがシナイ山で神様から与えられた十戒は、ユダヤ人だけでなく、全世界に向けた恒久の神様の掟です。そして、十戒と同様に非常に重要なのがレビ記18章です。次のようにあります。彼ら…エジプト(当時の周辺諸国の覇権国)とカナン(イスラエルがかつて寄留していた国および隣接する国)の「習慣を見習ってはならない」と命じています。
創世記の最初の数章で、神様は端的にわかりやすく、神様が聖別した食べ物だけを食べ、聖別していないものは絶対に食べないという掟(神様の御心のみに従い、禁じられたことは実行しないこと)を通して、人類の生きる基準を定められました。この掟に背いた時から神様への信頼と服従が失われ、死と呪いが地上に広がり、深刻な影響を与えた原歴史が語られています。その悪がカナン地方で頂点に達した時(創世記15:16)に神様はエジプトから導き出したイスラエルの民を用いて世直しを断行すると預言していました。
この時のカナンの地の堕落を根源から改めるために神様が命じた掟が本日の箇所です。その中心は、結婚と性倫理に集約されています。レビ記18章、そして再度20章で同様の掟を繰り返し語って、神様の基準による結婚倫理の世界的重要性を明確にされたのです。これに照らし合わせて、現代の結婚および性倫理を共有していくことが重要なのです。
神の掟は命と恒久的な人類の繁栄のため
レビ記18・20章は明確に血のつながらない親族であっても、一定範囲の結婚を禁じています。また、同性同士や動物との性関係についても厳格に禁止しています。しかし、古くから世界中でレビ記が明記する神の人類恒久の掟は、なし崩しになって来ました。現代世界では、さらに法律で同性婚等を合法化する段階まで来ています。神様の掟は人類を真実の幸福に導くために存在します。これを軽んじる時に人類史に悲劇が繰り返すのです。
両極端な神学の大頭による聖書理解の混迷
南部バプテスト連盟の会員で大きな功績を残したポール・プレスラー氏の著書「A Hill On Which To Die」の中で、アメリカの神学校で自由主義神学の台頭がどのように従来の聖書理解を変容させ、神学校教育と神学生の卒業率に深刻な影響を及ぼしたかを報告しています。
私は個人的に2000年をまたいで1年間の米国牧師インターンシップ研修を受ける機会を与えられ、これについて著者本人やコンサーバティブ(根本主義寄り:厳格に聖書の教えを実生活に適用)、モデレート(自由主義寄り:聖書の教えを選別して生活に適用…新約優先、現代では適用する必要がない教え、ユダヤ人のみに適用すべき教えを区別して生活に適用)の人から理解を深めました。モデレート側は、本日の箇所をユダヤ人のみに適用すべきものと理解し、コンサーバティブ側が現代人にも適用することを主張する点でも衝突します。
私は両陣営の教会を訪問し、牧師面談をする機会を持つことができました。これにより、日本ではなかなか把握できない米国の社会構造の問題と国民性がこれに大きく影響していることを理解するに至りました。米国大統領選でもそれが顕著になっているように、米国は主義主張を曖昧にせず、立場を明確にさせて政策を大胆に実施していきます。そのため、敗れた側は大きな不利益や不満を抱えることになります。そのような衝突は米国神学界でも、南部バプテスト連盟内でも起きたのです。
南部バプテスト連盟では、1979年の年次総会で、現在まで続くコンサーバティブ寄りの神学理解を重視する理事長が選出されて以来、すべての実行機関にこの神学理解を尊重する人々がそれぞれのトップに就任するようになっていきました。この大きな改革の根底にあったのが、連盟設立当初に掲げていた聖書主義に基づく神学校教育に戻すという大目標がありました。これが功を奏して、年々減少していた神学生数と卒業率に終止符が打たれました。現在では過去に類をみない全米切っての成長と卒業生数、宣教師数を生み出す実績を出しています。現南部バプテスト連盟は、本日取り上げたレビ記の結婚と性倫理を厳格に守ることを重視しています。これを重要視する立場に立つ時、同性婚をはじめ、婚前性行為などが世の中では認知される時代になって来ていたとしても、神様が人類を祝福するために与え、定められた掟を選び、実践することは、ますます重要になってきているように思います。
すべての人に向けられた神の掟
18:25 その地もまた汚れている。ゆえに、わたしはその悪のためにこれを罰し、その地もまたその住民を吐き出すのである。18:26 ゆえに、あなたがたはわたしの定めとわたしのおきてを守り、これらのもろもろの憎むべき事の一つでも行ってはならない。国に生れた者も、あなたがたのうちに宿っている寄留者(外国人)もそうである。
本日の箇所は私たちに世の中の常識や伝統よりも、神様が定めておられる人類のための恒久的な掟を尊重することを訴えています。日本バプテスト連盟は現在米国南部バプテスト連盟の選択とは逆方向に舵を取り続けています。現在、神学校卒業生数が激減している現状において、真剣に検証する時期が来ているのではないでしょうか。私は米国の教会の実情を調査、訪問し、両陣営共に評価すべき点と問題点があることを理解しました。その上で、私は改めて聖書主義に立つバプテスト教会員でありたいと心から願わされています。
2026年9月27日(日) 北九州キリスト教会宣教題
「岐路に立つバプ連と希望②」
-
前の記事
主の名による最初の奇跡② 2026.09.12
-
次の記事
主の名による最初の奇跡③ 2026.10.04